「たけのこ」

たけのこの小秘話

日本人なら誰でも知っている「かぐや姫」の物語。
日本で一番古い物語といわれる『竹取物語』のことです。
ところで、そのかぐや姫がゆりかごにしていた竹はどんな竹?

現在私たちが普通に食べるたけのこは、孟宗竹(もうそうちく)
という太い種類の竹です。しかし、この竹が日本に渡ってきたのは、18世紀のこと。

かぐや姫の時代には、真竹(まだけ)と淡竹(はちく)という細い竹でした。
昔から日本人はたけのこが好きで、真竹も淡竹も活用してきました。
『竹取物語』の作者が、かぐや姫のゆりかごに竹を使ったのも、その現れかもしれません。

それにしても、孟宗竹よりもさらに細い真竹か淡竹がゆりかごなんて、
よっぽど小さな赤ちゃんだったのですね。

 

たけのこの知られざる世界

野菜に旬が感じられなくなったこのごろですが、独特の香りや歯ごたえとともに、つややかな皮に包まれたふっくらした「筍」は、春を呼ぶ、まさに竹かんむりに旬の野菜です。

ビタミンB2、Cの他にカルシウムや鉄分なども含みますが、少量なので栄養的な価値は低いと言えますが、たんぱく質、糖質が豊富で、春のスタミナ食の筆頭です。

しかし、食物繊維が豊富なので、便秘の解消には一役買います。また、低カロリーなので、ダイエット食品としても適しています。

たけのこの旨味は、たんぱく質を構成するアミノ酸によるもので、栄養・味ともに、根の部分よりも、成長点のある先端のほうがすぐれています。先端部分には、1ヶ月で14〜15mも伸びる成長力の秘密が隠されているのでしょう。

たけのこの独特のえぐみは、蓚酸(しゅうさん)とホモゲンチジン酸によるものです。えぐみはカルシウムを沈着させて結石の原因となりやすいので、アク抜きをしてから調理します。堀りたてはアクがなく、生でも食べられます。

アク抜きは皮の部分にタテに1本包丁目を入れ、たっぷりの米ぬかと赤トウガラシ2本を入れた湯で1時間くらい煮ます。さまして水洗いの後、皮をむきます。

たけのこの上手な選び方

  • 孟宗竹のたけのこの旬は4〜5月。
  • 朝の堀りたてが一番。でも、早朝に限らず、堀りたては、えぐみがなく、ゆでる必要がないので、さらに美味。
  • たけのこは、土の中に深くもぐっているものほど、おいしいというのが常識。
  • ズングリムックリで、切り口が白くみずみずしいものを選ぶ。
  • 皮に湿り気があり、実に密着しているものがよい。
  • 皮の先が緑色のものは、育ち過ぎでかたい。

たけのこの保存方法

掘ってから時間が経つほどかたくなり、えぐみが増す。手に入ったら、すぐにアク抜きをして冷蔵する。


たけのこの部位別調理法

穂先・・・最もおいしいところ。先端を切り落とし、外皮を除いた内側の白い姫皮も使って、椀だねや和え物に。新わかめ、木の芽と相性がよく、若竹汁は春の和風料理の絶品。煮すぎないように。

中央部・・・若竹煮、炊込みごはんをはじめ、木の芽和え、焼き物、天ぷらなど、どんな調理法にも向く。産地では、朝堀のとびきり新鮮なものを生で刺身風に食べる。

根元・・・繊維が多く堅いが、たけのこらしい味わいは強い。堅さの原因の繊維を断つように薄切りや千切りにし、中国風の炒め物や煮込みなどに、また、すりおろして卵や粉を加え、揚げてもおいしい。