「大根」

大根の小秘話

大根の属するアブラナ科は、最も進化した植物群と言われます。
かぶ、白菜、キャベツなど350属、種類にしてなんと2500もの仲間が、
主に北半球の温暖な地帯に分布しています。
なかでも、日本の大根の種類の多さは世界中の国の中でもけたはずれでしょう。
古代エジプトではピラミッドの建設のおり、野生のたまねぎ、にんにく、大根が
工事にあたる人達に食料として支給されたそうです。
古代ギリシャでは、大根はラパノスと呼ばれ、主神アポロの神殿に奉納されていました。
しかしヨーロッパに広まるようになったのは15世紀になってから、
東洋へはいち早く伝わったようです。

ことわざに「大根どきの医者いらず」という言葉があるように、
大根(おろし)が消化を助けるということは体験的に知っている方も多いと思います。
また、大根役者という言い方も、大根をたくさん食べても当たらないことから、
芝居がへたで全然当たらない役者を皮肉って言う言葉です。

 

大根の知られざる世界

東洋医学でも大根は「らいふく」と呼び、食べ過ぎた時の消化剤として用いるようです。これは、大根に含まれるジアスターゼという消化酵素の働きや、辛みの成分アリル化合物が胃液の分泌を促進してくれることから、大根を食べると胃腸の調子が良くなることを示しています。

栄養的にも大根の根の部分ではビタミンCが100g中に約15mg、葉の部分では70mgも含まれています。
ビタミンCは、人間の皮膚の細胞同士の結合を強めるコラーゲンやエラスチンという成分の生成に関係するビタミンです。ですからビタミンCが不足すると小じわやしみの原因になります。さらに、日焼けなどのメラニン色素ができるのを抑える働きもあるので、女性はビタミンC不足に気をつけたいものです。

根の部分では、表面の皮に近い方が中心の方よりビタミンCが多いので大根おろしなどでも、皮ごとおろした方が栄養的には良いと言えます。また、大根には食物繊維が豊富に含まれていますから、便秘防止にもなります。それと捨ててしまいがちな葉ですが、ビタミンCの他にもβーカロチン、カルシウム、鉄を多く含み、大変栄養価が高いのは見逃せません。


大根一口メモ

  • 大根おろしも、おろした後そのままおいておくと、ビタミンCが徐々に酸化されてしまうので、食べる直前におろした方が良いようです。
  • 大根を干してつくる切り干し大根は、鉄、カルシウムをたっぷり含んでいるので、貧血気味の人や骨粗しょう症が気になる中年以降の女性などは、特にたくさん食べたいものです。
  • 大根の葉を刻み、布の袋に入れてお風呂に入れると、血行がよくなり体がぽかぽか温まり、冷え性などに効果的だといわれます。

大根の見分け方

白さと張りがあって、葉が生き生きしているものが新鮮。また根はみずみずしい白色で、まっすぐに伸びているものが良品。「す」がはいっているかどうかは、指でたたいてみて、コンコンと金属的な音がするものは大丈夫。古くなると鮮度が落ちてきて「す」がはいるので、できるだけ早く使うこと。
保存法としては、新聞紙に包んでベランダなどへ。土の中に埋めると長持ちする。