アトピーについて(その1)

アトピーについて(その2)

総論

アトピー性皮膚炎の定義として「アトピー性皮膚炎は、憎悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー要素を持つ」としています。

イギリスにおいては

1,History of flexural dermatitis

2,Onset under the age of 2 years

3,Presence of an itchy rash

4,Personal history of asthma

5,History of a dry skin

6,Visible flexural dermatitis

の6つの診断所見をもつものをアトピー性皮膚炎と呼んでいます。
これらの定義はあくまでアトピー性皮膚炎の皮疹の様子から見たもので、病因については明確に述べられていまん。本来、病名というのは病因と病状を確立した上で命名されるものですが、病名の方が先に生まれたといっていいでしょう。
アトピー性皮膚炎は19世紀の始め頃欧米で知られていた皮膚疾患で、痒いという症状が主で、特徴的な湿疹が見られストレスによっても憎悪する皮膚病であるといわれていたのが、その100年後にアレルギーという病因であることが解明されるとともに、1933年にアトピー性皮膚炎という病名が確立したのです。
近年、アトピー性皮膚炎の患者さんが文明国で増加している原因は環境汚染、食肉類の飼育や野菜の栽培に化学薬品が使われ出したことや、文化的住居や化学繊維からなる衣類の着用や、今世紀発見された二大医薬品といわれている抗生物質とステロイドホルモン剤の過剰使用と誤用、さらにストレスの多い社会構造の中での生活の強要などが複雑に絡み合い、発生した疾患であるといわれています。ですから、その治療には、一つの医薬品ではとうてい間に合わないのは当然で多くの医療法の中からその人にあった方法を選ぶことがたいせつになります。

痒みについて

アトピー性皮膚炎で一番問題になるのが”痒み”です。どうして痒みが起るのか簡単にお話しします。
今月のTopicsの花粉症の所でも書きましたが、外部の刺激や、アレルギーの元(アレルゲン)が体内に入ってくると肥満細胞の中にある顆粒(その中にヒスタミン等の痒みを起こさせる物質が入っている)がはじけて(脱顆粒という)かゆみを引き起こします。しかしこの反応は、一時的なものですので、やがて痒みは消失します。しかし、アトピー性皮膚炎の場合、持続する痒みが起るのは、ヒスタミンだけが関与しているわけではないのです。それは、免疫機構に関与している、マクロファージ、好中球、好酸球、好塩基球と呼ばれる白血球が連続的に浸潤してきて炎症細胞と化してしまい長期に痒みが持続します。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の症状は年齢によって少し異なります。
 乳児期(1〜4才頃)
   頬や頭が赤くなり、ジクジクし表面にはかさぶたがつくようになります。特に2才頃からは皮膚の
   乾燥が激しくなります。
 幼児期、学童期(4才〜小学校高学年頃)
   皮膚全体が乾燥し、うなじ・額・肘・膝の内側では皮膚はざらざらし、堅くなり、激しい痒みのため
   ひっかき傷を作りじくじくしてきます。
 思春期・成人(小学校高学年頃〜成人)
   乾燥のため皮膚全体が一層ざらざらし、幼児期・学童期の症状はますますひどくなります。


アトピーについて(その2)