今回は、アトピーの治療に用いられる漢方薬についてです。
その前に、アトピー性皮膚炎では、免疫学的問題から往々にして皮膚の抵抗力が弱いといわれています。その抵抗力を弱めている原因の一つに、”ストレス”があると思います。ここに、皮膚科の先生から聞いた話を書きます。もしかするとアトピーのお子さんを持つお父さん、お母さんで心当たりのある方がいらっしゃるのではないでしょうか?
「アトピー性皮膚炎が子供の精神的成長にどんな問題を及ぼすかということはあまり取り上げられてはいません。実際の診療の中で多くのアトピー性皮膚炎の子供たちを診ていると、いくつかの共通した点に気づくと言います。
アトピー性皮膚炎の主症状は慢性に続く痒みとただれた皮膚です。いつも痒みのために”ポリポリ”やっていれば落ち着きが無くなり、物ごとに集中できなくなります。掻いていれば、いつもお父さん、お母さんに注意され、精神的に委縮していきます。また、皮膚のただれは他の人の目にも触れ、その精神的苦痛は恐怖症(精神科で言う醜形恐怖症)にも似た状態にもなるそうです。その上、日常生活でも親やまわりの人から色々と制限され、ますますストレスがつのります。さらには、一生懸命治療しているのに、症状が良くならなければ、いかに子供でも落ち込んでしまいます。」
というように、子供は子供なりに大人には想像もつかない葛藤があるのではないでしょうか? また、お父さん、お母さんが、自分の子供がアトピーだといわれ、”アトピー=治らない、治りづらい”と思っていませんか? 御自身は気が付かないでしょうが、お父さん、お母さんがそのように思ってしまっているのを子供は感づいていますよ!
昔の人はいいことを言っています。”病は気から”。 その通りだと思います。 当の子供は当然ながら治りたいと思っています。しかし両親がそのように思っていたら・・・。
アトピーに限らず、全ての病気は家族皆の協力によって治していくものです。”絶対治してやる!!”という意気込みと根気が必要ではないでしょうか?
何か、精神論的になってしまいましたが、本題の漢方薬についてお話しします。
| |
|
患部にねばねばした分泌物が多く出て、貨幣状にかさぶたが出来る。 |
消風散(しょうふうさん) |
|
患部にねばねばした分泌物が出て、黄色いかさぶたが出来る。 |
黄連解毒湯(おうれんげどくとう) |
|
患部にねばねばした分泌物が出て、黄色いかさぶたが出来る。 |
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) |
|
頭部や顔面、首に紅斑や赤い丘疹がでる。 |
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) |
|
頭部や顔面、首に紅斑や赤い丘疹がでる。 |
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) |
|
全身に紅斑や赤い丘疹があらわれ、痒みが激しく、乾燥して分泌物はない。 |
温清飲(うんせいいん) |
|
全身に紅斑や赤い丘疹があらわれ、痒みが激しく、乾燥して分泌物はない。 |
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう) |
|
患部の赤みが著しく、乾燥している。 |
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう) |
| |
|
体が重だるく下肢や目の周りがむくんだ感じ。 |
平胃散(へいいさん) |
|
疲労倦怠感が強くて、食欲が無い。 |
補中益気湯(ほちゅうえっきとう) |
| |
|
患部がガサガサして、かゆみがはげしい。 |
知柏地黄丸(ちばくじおうがん) |
|
患部は赤みが少なくて、乾燥してる。 |
当帰飲子(とうきいんし) |
|
細かい丘疹が出ることもあるが、かゆみはあまりはげしくない。 |
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう) |
イライラするとのぼせて、めまいがしたり、目が充血したりするもの。 | |
|
|
見えたり、しこりがあらわれる。かきこわして出血しやすいもので | |
|
便秘がち。のぼせやすく、顔が赤くなったり、肩こりになりやすい。 |
通導散(つうどうさん) |
|
イライラや胸苦しさを伴い、かゆくて、夜、眠れないこともある。 |
血府逐湯(けっぷちくおとう) |