<尿検査でわかること>

尿試験紙法

尿タンパク

尿沈査

尿の細菌検査


<尿スクリ-ニング検査(試験紙法)の内容項目>

項目

正常値

検査の意義

PH
タンパク質
ブドウ糖
ケトン体
ビリルビン
潜血
亜硝酸塩
ウロビリノ-ゲン

4.5〜8.0
陰性
陰性
陰性
陰性
陰性
陰性
陰性

尿にはたくさんの病気の情報がかくされています。試験紙の
中には検査に必要な試薬が含まれており、異常な物質が
尿中に含まれていると反応して色調が変化しますので、
この変化を色調表と比較して読み取ります。

<尿スクリ-ニング検査でわかること>

<PH>
  • 偏りのない食事をとっている人のPHは6付近です。
  • 尿路に感染症がある場合はアルカリ性を呈します。
  • 呼吸器疾患でガス交換が出来ない場合は酸性を呈します。

<タンパク質> 
  • タンパク質陽性を呈する場合は腎疾患の可能性
    あります。
  • タンパク質の量と腎疾患の重篤度とは平行しません。

<ブドウ糖>
  • ブドウ糖陽性を呈する場合は糖尿病の可能性があります。
  • 糖尿病を発見するためには、空腹時尿より、
    食後2時間尿で検査する方が良いです。

<ケトン体>
  • ケトン体陽性を呈する場合、糖尿性アシド-シスが
    疑われます。
  • 糖尿病患者の病状が悪い場合に出現しやすくなります。

<ビリルビン>
  • 肝炎などによる黄疸の場合に陽性を呈します。
  • アスピリン、ピリジウム、フェノチアジンなどを服用した
    場合
    偽陽性を呈することがあります。

<潜血>
  • 肉眼的に尿中に血液が混じっていることがわかる場合は
    血尿といい、肉眼的には判断できず、試験によって
    検出されるわずかの血液がある場合を潜血といいます。
  • 急性糸球体腎炎、尿路結石、ガンなどで陽性を呈します。

<亜硝酸塩>
  • 亜硝酸塩陽性を呈する場合は、尿中に細菌が
    存在している可能性
    があります。(細菌尿)
  • 細菌尿を放置しておくと腎盂腎炎などの重篤な
    腎疾患を起こす
    ことがあります。

<ウロビリノ-ゲン>
  • 肝疾患のスクリ-ニングに利用されます。

尿中ウロビリノ-ゲン

尿中ビリルビン

疾患

陽性

陽性

急性肝炎。肝硬変症、
原発性肝癌

陰性

陽性

閉塞性黄疸

陽性

陰性

急性肝炎の回後期
溶血性貧血

陰性

陰性

先天性非溶血性黄疸


<尿タンパク検査の内容項目>

項目

正常値

検査の意義

尿タンパク

尿中に認められない

試験紙法で尿中にタンパクが出現していることがわかると、
どれくらいの量が出ているかチェックする必要があります。
このため1日の尿をすべて蓄めておき(蓄尿)、どのくらい
のタンパク量が体外へ排出されたかを検出します。
タンパクは分子量が大きく、普通腎臓の糸球体を通過するこ
とができません。しかし上気道感染(溶レン菌感染)
抗原・抗体複合物などによって糸球体に炎症が生じると
(急性腎炎)タンパク(アルブミン)が尿中に出て
浮腫(むくみ)の原因になります。

<尿タンパク検査でわかること>

  • 早朝起床時に陰性で、起立時、運動負荷で陽性になる場合は、病的な意味はなく(やせ型の人に多い)、1回のみでなく一定時間をおいて再検査することが必要です。
  • 尿タンパクと血尿がある場合は急性腎炎である可能性があります。
  • 尿タンパクと血糖がある場合は糖尿病性腎症である可能性があります。
  • 尿タンパクと原因不明の発熱、関節痛、筋肉痛がある場合、膠原病である可能性があります。
  • 急性腎炎の発症から1年以上タンパク尿(随時尿で30mg/dl,蓄尿で150mg/日以上)が出現する場合は、慢性腎炎が考えられます。
  • 尿タンパク陽性と尿素窒素、クレアチニンなどが高値を示すときは、慢性腎炎であることが多いです。
  • 腎炎やネフロ-ゼなどの腎疾患、膀胱炎や尿路結石、腫瘍などで陽性を呈します。


<尿沈渣検査の内容項目>

項目

正常値

検査の意義

尿沈渣

  • 赤血球
  • 白血球
  • 上皮細胞
  • 円柱
  • 塩類
  • 赤血球 1〜2/F
  • 白血球 1/2/F
  • 腎上皮 存在しない
  • 円柱 存在しない
  • 酵母 0〜1/F

(*F:視野)

尿タンパクの検査などで異常が判明したとき、
その原因を確かめるために尿沈渣の検査を
行います。尿中の細胞を(上皮)、血球(赤血球、
白血球)の数を調べるもので、尿検査の中でも大変
精密度の高い検査で腎臓だけでなく、
全身疾患の診断に大きな手掛かりとなります。
赤血球、白血球が多数発見されれば腎臓に感染や
出血があった証拠となります。

赤血球の増加-腎炎、膀胱炎、尿道炎、などの尿道の炎症、腎腫瘍、腎結石の疑い

白血球の増加-尿道炎など尿道の炎症の疑い

円柱の増加-腎炎など腎実質障害の疑い

上皮細胞の増加-尿道炎、尿細管炎の疑い

尿酸塩の検出-痛風の疑い

<尿沈査検査でわかること>

  • 赤血球の数と潜血反応とは関係します(潜血反応陽性で赤血球数が正常というのは考えられません
  • 正常でも白血球数は数個は認められますが、大量にある場合は、腎臓、尿路系のどこかに炎症が存在します。試験紙の亜硝酸塩と関係します。
  • 上皮の種類で婦人の場合、偏平上皮は正常に存在します。円柱状上皮(腺上皮)は腎臓尿細管由来と思われるので、腎炎の疑いがあります。
  • 円柱の存在は慢性腎炎に特徴的で、その種類と量は重要です。タンパクと関係します。
  • 特徴的な塩類結晶が出現します。コレステリン結晶、尿酸結晶、チロジン結晶は病的です。
  • 酵母は特に抗生物質の耐性による菌交替現象によって出現します。


<尿の細菌検査の内容項目>

項目

正常値

検査の意義

尿の細菌検査

総細菌数105コ/ml以下

腎盂腎炎、膀胱炎などは細菌の増殖によって引き起こさ
れ、尿中に原因菌が排出されますので、新鮮な尿を取り、
細菌検査を行います。どういう菌が原因になっているかを
同定し、どういう薬剤がその菌に効果的かを検出し、
感受性のある薬剤を選択します。

尿感染に多く
みられる細菌

大腸菌・溶血性レンサ球菌・ブドウ球菌・サルモネラ・カンジタ

<尿の細菌検査でわかること>

  • 尿路感染症では、頻回尿、残尿感、排尿痛などあることがありますが一般的に無症候のことが多いです。
  • 細菌尿は尿に悪臭をもたらし、にごっています。