せき・ゼロゼロがでる病気

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病気別の症状とホームケアについて

急性気管支炎

症状

  • 子供の呼吸器の病気のほとんどは鼻から肺胞に至る気道の感染症によるものです。その90%近くは、ウィルスによって起こります。インフルエンザ菌などによる細菌感染のものと、かぜの原因となるウィルスの感染によるものがありますが、ウィルスによる感染がほとんどです。
  • 気道は大きく3つの部分に分けられます。鼻腔から咽頭が第1ブロックで上気道、次は咽頭周辺でこれが中気道、そして気管から肺胞まで下気道と呼びます。
  • 上気道を中心に炎症がみられるものが急性上気道炎(かぜ)、気管、気管支炎を中心に起こしているものを急性気管支炎、肺胞が中心のものを肺炎と呼びます。気管支炎は、かぜにつづいて気管支の内壁の粘膜に炎症が及んで起こります。
  • 主な症状ははげしいせきで、乾いたせきがつづき、やがてたんがからんだような湿ったせきに変わっていきます。まずくしゃみや鼻水など鼻炎の症状が3〜4日続くことから始まります。そのうち、コンコンという乾いたせきが出るようになり、しだいに胸が苦しくなってきます。鼻水も増えてきて、38度以上の高熱が出ます。やがて、せきがはげしくなり、呼吸がゼロゼロ、ヒューヒューというようになり、たんがからんだせきに変わります。ときには膿性のたんが出ることもあります。特に早朝や夜寝入った直後など、湿度が変化するときにせき込みます。ウィルスが原因の場合は、せきで呼吸困難になることはありませんが、体力が消耗します。

ホームケア

  • 医師に経過を見てもらいながら、安静、保温に気をつけて、消化のよい食事をとりましょう。
  • また、水分はせき、たんを出しやすくするので、十分与え、室内が乾燥しないように注意が必要です。ときどき窓をあけて、外の新鮮な空気を入れることも忘れずに。

お薬に関してなど

  • 細菌感染が原因の場合は、肺炎などを併発しないように、抗生物質を使うことがありますが、それ以外は特別な治療法はなく、自分の免疫の力で治るのを待つことになります。

細気管支炎

症状

  • 気管支は左右の肺へ分かれたあと、さらに20回前後枝分かれしていきます。そして肺胞に近づくのですが、この肺胞に近いところの気管支を、細気管支と呼びます。ここに炎症が起こる細気管支炎は、2才以下、特に生後6ヶ月までの赤ちゃんに多く、小さい赤ちゃんほど重症になりやすい病気。
  • かぜの症状から、肺炎や気管支ぜんそくに似た症状へと変わっていきます。軽い熱が出て、呼吸困難、せき、そして息を吐くときにぜんそくのようにゼーゼー、ヒューヒュー、ゴロゴロといった音を出すのが特徴です。ときには、重症のぜんそくや肺炎と区別がつきにくい状態になることがあります。また、顔色やくちびるの色も悪く、不機嫌で食欲もありません。小さな赤ちゃんの場合は、おっぱいなどをうまく飲めないので脱水症状が起きやすくなります。

ホームケア

  • 部屋を保温し、加湿器などで湯気を立てて湿度を高くします。
  • かぜをひいたときは、ふだんより観察をこまかくするのが重症を避ける手段をいえるでしょう。

お薬に関してなど

  • 急速に病気が進行し、呼吸困難を起こしやすいので入院治療が原則。

ぜんそく性気管支炎

症状

  • 1〜2才の赤ちゃんで、かぜをひくたびに、ゼロゼロする子がいます。ぜんそくのような苦しそうなせきをしますが、ほとんどは4〜5才くらいになると自然に治ってきます。
  • もともと赤ちゃんの気管支は細く、せきをする力も弱いので、気管支内の粘液はたまりやすい傾向にあります。そこに炎症が起きると、粘液がたくさん分泌され、気管支の内腔をさらに細くします。この細くなった気管支を空気が出入りするときに、笛が鳴るような音がするのです。
  • 夜間や明け方に、せきやゼロゼロがひどくなります。続けざまにせきをすることもあります。

ホームケア

  • 家庭では、せきが出やすいようにうつぶせにして、背中を軽くたたいてあげたり、水分を補給すると、たんが出やすくなります。
  • 熱もなく日中は食欲もあって元気なら入浴させてもかまいません。ただ、症状が完全にとれるまでは医師に経過をみせることが大切です。

お薬に関してなど

  • 治療は狭くなっている気管支の内腔をきれいにすることが第一です。せきは粘液(たん)を外へ出す働きがあり、ある意味では、体にとっての防衛反応です。
  • せきを出やすくする薬を使って治療する場合もありますが、ほとんどは家庭看護で治ります。

急性肺炎 

症状

  • 肺炎は、ウィルス、細菌、カビ、マイコプラズマなどの微生物、化学物質などが原因で起こります。最近では、ウィルスやマイコプラズマによる、比較的軽い症状の肺炎にかかる例が多くなっています。
  • 肺炎というのは、肺胞に炎症が起きている状態。その程度も軽い重いがありますが、気管支炎が進行して生じるものがほとんどです。
  • 私たちは、1回の呼吸で肺の中の空気を10〜15%入れ替えていると言われています。しかし、肺炎にかかると、肺胞自体の炎症と、滲出液などのためにガス交換の効率が極端に悪くなります。特にまだ肺の働きが未熟な赤ちゃんでは、こうしたことが命にかかわる深刻な事態になるのです。
  • 細菌が原因の肺炎を細菌性肺炎と呼び、ウィルスが原因で起こる肺炎はウィルス性肺炎と呼びます。
  • 急性肺炎は、顔色が悪くなり、きげんも悪く、食欲もなくなります。また呼吸が速くなり、さらに進行すると呼吸困難になります。小さな赤ちゃんでは、鼻をピクピクさせて空気を求めてあえぐような呼吸になります。
  • また、赤ちゃんが呼吸困難になると、胸やおなかがペコペコとへこむようになります。これは赤ちゃんの胸骨や肋骨がやわらかいため、呼吸困難になると、横隔膜が激しく動き、それにつながっている胸骨や肋骨が体の内側に引っ張られるからなのです。
  • 一般的に熱は高くなりますが、赤ちゃんでは、体温を調節する脳の中枢の働きが未熟なため、高熱が出ないこともあり、これを無熱性肺炎と呼びます。
  • また、大人ではせきが出ることが多いのですが、赤ちゃんではせきをする中枢が未熟だったり、呼吸筋の働きも弱いため、せきも目立たないことがあります。
  • 細菌性肺炎は、高い熱が出て、呼吸が浅く、速くなります。呼吸のたびに苦しそうにします。また、くちびるや爪が紫色になり、チアノーゼが現れます。赤ちゃんではこのような重い症状が突然現れて、急激に進行しがちで、膿胸(肺を包んでる肋膜に滲出液が出てたまり、さらに細菌の感染が起こって膿がたまったもの)を合併することもあります。
  • ウィルス性肺炎は、発熱、せき、多呼吸などはほかの肺炎と同様ですが、たんは少なく、膿性のたんになることはあまりありません。細菌性の肺炎を合併しなければ、約1〜2週間で治ります。

ホームケア

  • 家庭では、室内の保温と保湿に気をつけることが大切。また、上半身を少し高くして、呼吸がしやすいようにします。水分を十分にとらせるようにして、食欲が出てきたら、栄養の補給に注意して、体力の回復に努めます。
  • 小さい赤ちゃんが肺炎にかかった場合は、いつも息づかいやきげんの善し悪しに注意して、少しでも変わったことがあったら、すぐにかかりつけの医師に相談することをかかさないようにします。
  • 肺炎の治療は、化学療法と同時に、安静、保温、水分補給がなによりも大切です。

お薬に関してなど

  • 細菌性肺炎は、原因になっている病原菌を早く見つけ出して、それぞれの病原菌に有効な抗生物質を投与します。
  • ウィルス性肺炎は、ウィルスを直撃する薬はないので、対症療法で各症状を抑えながら、二次的な細菌感染を防ぎます。
  • どの肺炎も重症の場合は、入院して輸液などで体力の回復をはかります。

マイコプラズマ肺炎 

症状

  • マイコプラズマという微生物によって起こる肺炎で、幼児から年長児に多く見られます。流行には周期があり、よくオリンピックの年に大流行を繰り返しています。
  • 38〜39度の発熱が4〜5日から1週間つづきます。微熱が長く続くこともあって、昔は肺結核とよくまちがえられたものです。
  • せきがしつこく出たりしますが、熱やせきのわりには元気がいいのが特徴です。

お薬に関してなど

  • 治療はテトラサイクリン、エリスロマイシンなどの投与が有効です。
  • また、軽症なら入院せずに、通院で治療も可能です。
  • まれに、中耳炎、気管支炎、皮膚の発疹を起こしたり、髄膜炎や心臓障害を起こすこともあります。

肺結核 

症状

  • 結核菌が肺に感染して起こる病気です。患者の数が減ったとはいえ、赤ちゃんの場合は、結核性髄膜炎を起こして、死につながることもあるので油断できません。
  • 初期はほとんど症状がなく、ツベルクリン反応で発見されることがほとんど。病気が進むと、食欲不振、消化不良、発熱、体重減少などの症状が出てきます。

ホームケア

  • 赤ちゃんの結核は身近な人からの感染がほとんど。家族に結核患者がいたら、接触させず、長くせきをしている人がいたら注意して、早めにBCGの接種を受けるなど予防処置をとりましょう。

お薬に関してなど

  • 抗結核剤で治療します。同時に安静や栄養の充実を。
  • 手術で病巣を切除することもあります。

百日ぜき 

症状

  • 百日ぜき菌の飛沫感染によるもので、三種混合ワクチン(百日ぜき、破傷風、ジフテリア)をしていない低年齢の乳幼児がかかりやすい病気。一度かかれば終生免疫ができます。
  • はげしいせき発作を主な症状とし、名前の通りせきの出る期間が長いのが特徴。せきの経過から、カタル期、痙咳期、回復期に分けられます。
  • カタル期=約2週間の潜伏期ののち、せきが出始めます。初期はかぜの症状に似ていて、熱はなく、たんも少ないのですが、せきが出始めて10日くらいからだんだん夜のせき込みが激しくなります。
  • 痙咳期=しだいにせきが激しくなり、コンコンと十数回連続して発作的にせき込むようになります。連続したせき込みの最後に、深く息を吸い込むためにヒューという音がします。(レプリーゼ)。乳幼児では、たんを出すことができず窒息状態になることもあります。合併症がない限り、強いせきのわりに熱は出ません。発作のない間は子供は意外と元気で、ふだんと変わりませんが、夜になるとせきが頻発します。
  • 回復期=レプリーゼやせきによる嘔吐が少なくなり、夜間のせき込み回数も減って、治癒に向かいます。しかし、百日ぜき菌が気管支だけある場合はせきだけですみますが、肺全体がおかされると、百日ぜき肺炎を起こしてしまいます。百日ぜき肺炎は、非常に濃いたんが出て、肺が詰まり、死に至るたいへんこわい病気です。このように乳児の感染は重症になることがあるので、十分な注意が必要です。

ホームケア

  • せき発作はいろいろな誘因で起こりやすく、泣いたりして興奮したり、食事したり、冷たい風や煙、ほこりが気管を刺激したりして起こります。
  • 食事は冷たすぎたり、すっぱいもの、粉っぽいものは刺激になりやすいし、満腹にするほど食べてもせきが出やすいので、カロリーのあるものを少量ずつ、何度かに分けて与えます。

お薬に関してなど

  • 百日ぜき菌に有効な抗生物質を使います。
  • 乳児で夜間にチアノーゼや呼吸停止を起こすときは、入院治療を要します。
  • 三種混合ワクチンの予防接種を受ける時期は生後3〜90ヶ月までの間となっていますが、実際に連絡がきて、予防接種を受けることができるのは1才以降です。自主的にかかりつけの医師と相談して、生後3ヶ月を過ぎたら早めに接種をするといいでしょう。少々費用はかかりますが、この病気のこわさを考えると、予防接種は早めに済ませた方がいいでしょう。

クループ(咽頭炎) 

症状

  • 気道でもっとも狭い部分は、声を出す声帯の付近です。そのため、この部分の粘膜が炎症を起こしてはれたり、細くなったりすると、ちょっと粘膜が詰まっても窒息する危険があります。
  • 声がハスキーになり、ケーンケーンといった犬が遠ぼえをするようなせきが出ます。炎症が進むと、息を吸うときにヒューヒューと笛が鳴るような音が出るようになります。さらに重症になって呼吸困難が生じてくると、胸骨の上方や下方がペコペコへこむようになります。
  • 日中は比較的元気で、ミルクもよく飲む子が多いですが、夜間に急に悪化する傾向があります。

ホームケア

  • 夜間に症状が進むことが多いので、十分な注意が必要です。
  • クループ(呼吸困難)があって、くちびるや顔が紫色になったら、すぐに医師に見てもらいましょう。
  • 朝まで待つと危険です。夜中も赤ちゃんの隣で寝るようにして、注意してあげてください。
  • 早めに受診し、家庭ではお湯を飲ませたり、部屋に湯気を立てて湿気を保つなどのほか、肩に小さな枕を当てて、上半身を高くし、呼吸しやすくします。

お薬に関してなど

  • ウィルスによる病気のため、抗生物質では、十分に効果があがりません。

気道内異物

症状

  • 気道内の異物で多いのは、ピーナツなどの豆類。2才以下の子供は、そのまま飲み込んでしまうことがあり、それが気道に誤って入ってしまうのです。気道に残ったピーナツはふやけて出にくくなり、肺炎などを起こすこともあります。
  • 元気にきげんよく遊んでいた赤ちゃんが、突然苦しそうにせき込み、目を白黒させたりします。
  • また、かぜでもないのにせきがつづくときも異物が原因かもしれません。

ホームケア

詰まっているものが見えたら指を入れて引っ張りだします。とれないときは、赤ちゃんの足を持って逆さにし、背中をたたくか、ひざに赤ちゃんのみぞおち部分を当てて頭を下にして、背中をドンドン押すようにたたいてください。出ない時はすぐに救急車を呼びます。

参考文献:わたしの赤ちゃん、別冊病気大百科より