熱がでる病気

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 病気別の症状とホームケアについて

かぜ症候群

症状

  • 乳幼児の場合、高い熱が出て、呼吸や脈拍が速くなる、鼻がつまってミルクが飲みづらい、たんがからんでゼロゼロしやすいなどの症状がよくあります。
  • ふつうのかぜであれば、つらい症状があるのはかかり始めの2〜3日。多くの場合症状は自然に少しずつ軽快し、1週間ほどで治ります。
  • けれど炎症を起こした粘膜は傷ついて細菌がとりつきやすくなっているので、小さな赤ちゃんは肺炎、中耳炎などの合併症にも注意しないといけません。

ホームケア

  • 大切なのは安静と休養を心掛け、体の自然治癒力をそこなわないようにすること。
  • 食欲に応じて消化のよい食事をとり、十分に体を休めましょう。

お薬に関してなど

  • 残念ながらかぜには特効薬はありません。症状がひどい場合は薬が処方されますが、これは症状をやわらげるためのもの。いわゆる「対症療法」です。
  • 熱を下げる解熱剤、せきを静める鎮咳剤、たんをとかす去痰剤、呼吸を楽にするための気管支拡張剤などがあります。
  • また、肺炎や中耳炎などの合併症がある場合、予防的に抗生物質が処方されることがあります。
  • いずれにせよ、お医者さんはその子の症状や程度にあわせて薬を選びますから、1回だけでやめたり、1日だけ飲んでやめたりしては十分な効果は期待できません。

インフルエンザ

症状

  • 乳幼児の場合は吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状を伴うこともしばしばありますし、気管支炎、肺炎を併発しやすいのも心配です。
  • インフルエンザが流行っている時期「かかったな」という症状があらわれたら、油断せず、全身状態をよく観察して、早い時期に病院に行きましょう。

ホームケア

  • 基本的にかぜのときと同じ。だるさなどの全身症状は3〜4日で軽快し、1週間前後で治ります。
  • 自宅では水分補給を十分にし、安静にして体を休ませます。食べ物は消化がよく栄養のあるものを与えましょう。
  • 嘔吐で水分も口にできないようなときは脱水症予防のための点滴などもあるので、病院に行きましょう。

お薬に関してなど

  • インフルエンザもウィルスによる病気なので、特効薬はありません。基本的には対症療法です。
  • 熱を下げる解熱剤、せきを静める鎮咳剤、たんをとかす去痰剤、呼吸を楽にするための気管支拡張剤などを症状に合わせて用います。
  • 細菌による二次感染を防ぐために抗生物質を併用することもあります。
  • 予防注射のワクチンは毎年、その年の流行予測で作られており、的中すれば効果があります。

咽頭炎・扁桃炎

症状

  • いわゆる「のどちんこ」の周辺が咽頭です。ここが炎症を起こした状態が咽頭炎です。
  • 扁桃はのどの両サイド部分で主にここが赤くなって腫れれば扁桃炎です。
  • どちらも原因は多くの場合、かぜと同じウィルスです。かぜを引き起こす病原体が、それぞれの場所で特に強く反応しているわけです。
  • 38〜39度台の熱が出て、のどが赤く腫れます。扁桃炎の場合は40度くらいの高熱が出ることもあります。
  • のどの痛みでミルクが飲めなくなったり、食欲が落ちたりします。
  • のどの奥のほうの咽頭周辺に炎症がおよぶと、声がかれて泣き声がかすれたりすることもあります。
  • また扁桃炎の場合、ひどいと首やあごのリンパ腺がはれることもあります。

ホームケア

  • かぜと同様、安静にして休養をとって治療すれば治ります。
  • 咽頭炎は、2〜3日すれば回復に向かいます。
  • 扁桃炎は急には良くならないのが普通ですが、1週間以内にはだいたい治ります。
  • ただし、溶連菌が原因のときは、症状が回復しても治療をつづけていく必要があります。のどの痛みや腫れが強い間はミルクや離乳食は無理強いしないこと。刺激の少ないメニューで、食欲に応じて少しずつ与えてみましょう。
  • 食べられなくても水分が取れていれば心配ありません。白湯や麦茶はのどや口の中を清潔にする点でも意味があります。

お薬に関してなど

  • 使う薬としては、かぜ症候群、インフルエンザと同じです。

へルパンギーナ

症状

  • かぜ症候群の1つです。春の終わり頃から夏にかけてが多く、乳幼児はよくかかります。
  • 特徴は、急な発熱とのどの入り口の粘膜にできる水泡です。小さな水泡が数個〜10数個できて、その周辺は赤くなっています。最初は1mmくらいですが、2〜3日で2〜3mmくらいの大きさになり、つぶれて黄色っぽい潰瘍になります。
  • 急に39度前後の高い熱が出て、のどを痛がることで気づきます。同時に水泡がのどにできます。水泡がつぶれて潰瘍になると、しみて痛く、過敏な子は吐きやすくなることもあります。
  • 熱は2〜3日で下がり、潰瘍も1週間くらいで治ります。

ホームケア

  • のどの痛みが強いので、刺激の少ないものを食べさせます。
  • 熱いものや酸味のあるものは避けて。
  • 食べないときは水分補給だけでもよいのです。数日すれば自然に食べられるようになります。

お薬に関してなど

  • 使う薬としては、かぜ症候群、インフルエンザと同じです。

咽頭結膜熱

症状

  • その名のとおり、のどと目に病変を起こし、高熱がでる病気です。この原因となる菌はのどからの分泌物や目やに、便などが感染源。そのため、プールで感染して集団発生することも多く、俗に「プール熱」とも呼ばれています。
  • 流行は晩春から夏、秋口にかけてです。
  • 赤ちゃんよりも幼稚園から小学生の子供に多い病気ですが、上の子が感染した場合は赤ちゃんでもかかります。
  • 潜伏期間は5〜7日です。目がショボショボする、まぶしがる、うっとうしがるなどの症状と前後して、急に39度前後の高熱が出ます。
  • 発熱と同時か、少しずれて、目は真っ赤に充血します。これは眼球を覆っている結膜に炎症が起ったため。目に痛みはありません。目やにや涙でゴロゴロするので、赤ちゃんは不機嫌になります。
  • のども赤くなり、こちらは痛みがあります。けれど、赤ちゃんの場合、熱と目の充血、のどの痛みという3大症状がすべてそろわないときもあります。
  • また、しばしば、腹痛や下痢、嘔吐、咳、鼻水などの症状がでることもあります。

ホームケア

  • かぜと同じケアです。
  • 症状はだいたい1週間程度で軽快します。
  • のどの痛みが強いので脱水症状に気をつけましょう。
  • 尚、この菌は感染力が強く、タオルや洗面器などからも感染します。家庭内での感染を防ぐため、患者の目やにや唾液のついたタオルはほかの家族と共用しないこと。洗濯も別にします。目やにを拭いたあとやおむつがえのあとはせっけんでよく手をあらいましょう。
  • 症状が引いた後も2週間ほどは唾液や便の中にウィルスがいるので、油断しないてください。
  • この病気は学校伝染病の1つです。幼稚園や保育所は、主な症状が消えてからでないと行けません。主治医や園長などに確認しましょう。

お薬に関してなど

  • 熱は3〜4日つづくことが多いですが、原因のウィルスに直接効く薬はないので、やはり対症療法が中心。
  • 熱が高くて辛いようなら解熱剤、のどの痛みをやわらげる薬などです。
  • 目には、細菌の二次感染防止に抗生物質入りの点眼薬を処方することもあります。眼科の指示が必要な場合もありますが、まずは小児科を受診し、そこから紹介してもらうとよいでしょう。

突発性発疹

症状

  • 2才くらいまでの乳児期の病気です。特に生後6カ月から1才までの時期に多く、初めての発熱がこの病気ということは少なくありません。
  • この病気の原因ウィルスが特定出来たのはわりと最近のことで、感染経路などくわしいことはまだ分かっていません。けれど、季節を問わずに発生すること、はしかや水ぼうそうのウィルスのように人から人へすぐうつるほど感染力は強くないことはわかっています。
  • 特徴は、高熱と、熱がさがったあとに出る全身の発疹です。40度近い熱が出ることもあるので親は不安になりますが、高熱のわりには機嫌がよくて元気もあるなど、全身状態がいいのも特徴です。
  • それまで元気だった赤ちゃんが急に38〜39度、ときには40度近い高熱を出します。高熱のわりに赤ちゃんは元気ですが、ときには不機嫌になったりぐずることもあります。
  • 熱は3〜4日つづき、ストンと平熱か37度台くらいに下がります。それと同時か翌日くらいに、おなかや背中を中心に大小不規則な赤い発疹がでて半日くらいで全身に広がります。
  • 2〜3日は発疹も目立ちますが、だんだん薄くなって消えていきます。あまりかゆみはありませんが、ときにはかゆがったりすることもあります。また平熱に戻ったあとも、数日はぐずる赤ちゃんもいます。

ホームケア

  • 熱の出始めに熱性けいれんを起こす赤ちゃんもいます。
  • また、突発性発疹という確定診断ができるのは熱が下がって発疹が出てからです。ほかの病気の可能性も否定できないため、熱が出た時点で1度受診しておきましょう。
  • 熱の時期は水分をまめに補給し、全身状態に変化がないかどうかもよく観察しましょう。
  • 特に生後3カ月未満の赤ちゃんの高熱には要注意。ほかの重い病気の可能性もあります。
  • 突発性発疹と診断が確定したあとは、安静と水分補給に気をつければ特に心配はありません。
  • 尚、子供は1度は経験する病気と思われていますが、中にはかからない子もいるようです。2〜3才までにかからなければ、そのあとにかかることはまずありません。また、まれに2度かかる子もいるようです。

お薬に関してなど

  • 特別の薬なしでも軽快していくし、合併症などはほとんどない病気です。

おたふくかぜ

症状

  • この原因は飛沫感染です。春から夏にかけて多く見られ、潜伏期間は2〜3週間で、うつりやすいのは耳の下がはれてくる数日前から発症後10日くらいの間です。
  • 最もかかりやすいのは、3〜9才くらいで、生後6カ月未満の赤ちゃんがかかることは比較的少ないようです。1度かかると免疫ができ2度はかかりません。
  • また、ウィルスに感染しても全く症状が出ないこともあります。これを不顕性感染といい、この場合も発病したときと同じように免疫ができます。
  • 症状はほおやあごのはれから始まります。ピーク時には38〜39度くらいの熱がでることもありますが、ほとんど出ないこともあります。
  • はれや局所の痛みは5〜7日、長いときは10日ほど続いて治ります。
  • ただこの病原ウィルスは、唾液腺だけでなく、膵臓や神経の組織などにも病変を起こすので、注意が必要。膵臓の炎症のために強い腹痛が起ることもありますが、これはほおやあごのはれがおさまるころには治ります。
  • 熱が下がらず強い吐き気や頭痛を伴うときは髄膜炎の心配があるので急いで受診しましょう。

ホームケア

  • 安静を心掛けます。気持ちがよさそうなら、ほおを冷やしてあげるといいでしょう。
  • 唾液や消化液を出している唾液腺が炎症を起こしているので消化能力も落ちます。かまなくても消化しやすい、やわらかいメニューを用意しましょう。
  • 口の中は荒れやすい状態なので、白湯や麦茶を与え、清潔を保ちましょう。

お薬に関してなど

  • 特別な治療薬はありません。痛みがあるときは鎮痛薬など、対症療法になります。

尿路感染症

症状

  • 膀胱に炎症が起これば膀胱炎です。排尿痛、頻尿などが主な症状で、大人はこの時点で気が付くことがほとんどです。
  • しかし言葉で訴えられない赤ちゃんの場合、炎症が進み、尿に”うみ”や”血”がまじるといったことで初めて気づくことがあります。おりもののような分泌物がおむつやパンツにつくこともあります。
  • さらに感染が上部の尿路に進み、腎盂に炎症が起こると高熱がでます。これを腎盂腎炎といい、悪寒や頭痛、腰の痛み、排尿痛、頻尿などの症状がでます。
  • 赤ちゃんの場合は以上のような症状はわかりませんが、不機嫌で顔色が悪い、嘔吐などの症状が見られることもあります。かぜでもないのに高熱がでて具合が悪い、あるいは高熱を何度も繰り返すというときは、まず尿路感染症を疑って、早めに医師の診察を受けましょう。

ホームケア

  • 腎盂腎炎の場合、原因として先天的な尿路の異常が隠れていることもあります。
  • 多いのは膀胱から尿管へ尿が逆流してしまうケース。膀胱尿管逆流現象で、5才以下の尿路感染症の半数以上を占めていると考えてもいいでしょう。
  • そのため、感染がおさまったあと、これらの異常がないかどうか、超音波や造影剤を使っての検査をする必要があります。
  • 尚、夏には急性出血性膀胱炎もよくあります。一般的に、赤ちゃんよりもっと大きい子に起りますが、男の子に多く急に排尿痛や頻尿が起こり、4日ほどでコーヒー色や赤い血尿が出るのが特徴。特に排尿の終わりに出ます。ふつう、安静にしているだけで自然に治ります。

お薬に関してなど

  • 膀胱炎であれば、原因菌にあった抗生物質を服用して治療します。
  • しかし赤ちゃんは尿道が短いために細菌が奥に侵入しやすく、腎盂腎炎になっているということがよくあるようです。
  • この場合も適切な抗生物質を用いて尿の所見が改善するまで入院して、十分に治療することがたいせつです。

川崎病

症状

  • 正しくは「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といいます。
  • 発見者の名前をとって川崎病と呼ばれています。原因はまだはっきりわかっていませんが、全身に血管炎が起きていることから、体の免疫機構に何か関係があるのではといわれています。
  • 4才以下の子供に多く、特に1才前後の発症が多いのも特徴です。

最初は発熱、せき、鼻水などかぜのような症状からはじまりますが、やがて次のような特有の症状が出てきます。

  1. 39度以上の高熱が5日以上つづいている。
  2. 体に赤い発疹がでる。
  3. 目が充血したり、唇が荒れる、口の中が赤くなる、
    舌がいちごのようにブツブツと赤くなるなど、粘膜に症状が出る。
  4. 手足がむくんで堅くなる。
  5. 首のリンパ腺がはれる

これらがいくつかそろったとき、川崎病と診断されます。

  • 川崎病は、全身に血管炎が起るのですが、特に冠動脈という血管に”こぶ”ができることがあります。
  • 冠動脈瘤は、発症から7日目くらいで大きくなりはじめ、2〜3週間でピークになります。このこぶの内側に血液のかたまりができやすく、血液の流れが悪くなると心筋梗塞になることがあります。
  • 熱はだいたい2週間くらいで下がり、そのころから手足の指の先から皮膚がむけてきます。

ホームケア

入院は約1カ月くらい。冠動脈瘤が見られるのは川崎病を発症した子のうちの1割。

  • 冠動脈瘤がない場合2〜3カ月は薬を飲み、2年くらいは定期検診をしますが、その間特に治療は必要ないですし、日常生活に制限もありません。
  • 冠動脈瘤ができた子は、その後も心臓の専門医のもとで定期検診をつづけます。小さなこぶであれば、多くの場合2〜3カ月で消えます。

お薬に関してなど

  • 入院中は血管の炎症をおさえる薬や、血液が固まらないような薬を使い慎重に経過を観察します。
  • 薬の飲み方や生活などは医師の指示にしたがつてきちんと守りましょう。

髄膜炎・脳炎

症状

  • 髄膜は脳膜ともいい、脳の表面を覆っている膜のこと。
  • ここに病原体が感染して炎症を起こしたのが髄膜炎、脳そのものに炎症が起きたものを脳炎といいます。どちらも多くの場合、原因はウィルスです。
  • はしかやおたふくかぜなどのウィルスに感染したあと、ウィルスがさらに髄膜や脳に感染、炎症を起こします。どちらも高熱、頭痛、嘔吐から始まり、不機嫌になり、症状が進むとけいれんや意識障害が出てきます。
  • 髄膜炎の場合は、大泉門がはれてくることもあります。どちらにしても、様子がおかしいときは大至急受診しましょう。

ホームケア

  • ウィルスが原因の髄膜炎は症状も比較的軽く、後遺症を残すこともほとんどありません。
  • 脳炎もほとんどがウィルスであり、早期治療をすれば、ほとんど後遺症もなく治ります。

お薬に関してなど

  • 細菌が原因の髄膜炎(細菌性髄膜炎)は症状も重く、抗生物質による治療を早く開始しないと命にかかわり、後遺症も残りやすくなります。

日射病・熱射病

症状

  • 夏の海辺など、戸外で強い直射日光にさらされたために起るのが日射病。暑いところに長時間いたために起るのが熱射病です。どちらも暑さのために体温のコントロールができなくなり、熱がたまって急激に体温が上昇したことが原因です。
  • 皮膚からもどんどん水分が失われ、赤ちゃんはあっという間に脱水症状に陥り、ときには死亡することもあります。

ホームケア

  • 顔が赤い、抱くと体が熱い、元気がないなどが脱水症のサイン。急いで涼しいところに連れていき、衣服をゆるめ、水分を補給しましょう。
  • 頭や体には冷たいタオルを当てて体温を下げます。
  • このとき、皮膚から水分が失われ、脱水が進んでしまうので、冷房や扇風機などの風を直接当てないように注意が必要です。

お薬に関してなど

  • 顔色が悪くぐったりしている、意識がない、けいれんを起こしたなどの場合は大至急病院へ行きましょう。
参考文献:わたしの赤ちゃん、別冊病気大百科より